Well-beingから見える人生の過ごし方

Well-being(ウェルビーイング)という言葉を知っていますか?

16世紀のイタリア語「benessere(ベネッセレ)」が語源で、「よく在る」「よく居る」という状態を意味する言葉です。

少し難しい話になりますが、1946年に設立されたWHO(世界保健機関)の憲章の中に健康についての定義があります。

「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあることをいいます(日本WHO協会:訳)」

心も身体も健康で、さらに社会的にも健康な状態で、満足した生活を送れる状態であれば、しあわせだと言えるのではないでしょうか?

最近は世界でWell-beingが注目されていますが、その理由は物質的にも経済的にも豊かであるのに、多くの人が生きづらさを感じている現状があると言われています。

Well-being(しあわせ)は何か捉えどころのない漠然としたものと感じますが、医師の小島玲子さんのグループでは脳の機能部位に基づいて5段階に分類しているそうです。

(1)一次的欲求:食欲、睡眠、生殖、嗜好品など(本能的)が満たされ、痛みや寒さなどのネガティブな感覚がない
(2)二次的欲求:金銭、富、権力、序列、名声などが満たされ、恥や不安などのネガティブな感覚がない
(3)関係性:人間関係の中での喜び、安心、感謝、信頼
(4)行為・創造性:能力の発揮、行為に没頭する喜び
(5)意味:目標達成、意味感、使命感

(1)は「おなか一杯に食べたときの幸せ」で、(2)は「お金持ちになったときの幸せ」と考えるとわかりやすいと思います。この二つは短期的で、ないと欠乏感、あっても満足が増えるとは限りません。

(3)は「家族や友人、職場の仲間と仲良くしているときの幸せ」で、(4)は「集中してゾーンに入っているときの幸せ」、(5)は「使命感をもって何かをしているときの幸せ」になります。これらは長期的で、満足感や活力を高めてくれます。

さらに、「ポジティブ心理学の父」と呼ばれる世界的な心理学者のマーティン・セリグマン博士は、この(1)・(4)・(5)に関係する3つの幸せと、人生の満足度について解説しています。

(1)を「快適な人生」、(4)を「喜びのある人生」、(5)を「意味のある人生」と表現し、この3つの要素の高さは健康と寿命に相関し、仕事の生産性や顧客満足といった多くの要素にも相関していると言います。

しかし、人生の満足度と3つの要素の相関を調べてみると、「快適さ」はあまり相関せず、「行動に没頭する喜び」が強く相関し、「意味を感じられること」が最も強く相関していると述べています。

だから、長期的な人生の幸せや自分の人生に対する満足度をあげるためには、(4)や(5)の幸せを手に入れることが必要です

まず、その土台となる毎日元気で過ごせる健康を手に入れて幸せを感じられる人になりましょう!

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP